あかりの日記

おっ あっ 生きてえなあ

svabhava-sunya

(a) すでに労働したポチメは労働しない。 (b) まだ労働していないポチメも労働しない。 (c) すでに労働したポチメとまだ労働していないポチメを離れた現に労働しつつあるポチメは存在しない。 それゆえに労働も、労働するポチメも、労働するところもない。(よって、すべ…

中村元訳『ブッダ最後の旅−大パリニッバーナ経−』

ブッダ最後の旅-大パリニッバーナ経 (岩波文庫) 作者:中村 元 岩波書店 Amazon 今週はゆっくりと休みが取れたので、お経を検討していきたい。(ダンマパダの方も書かなければならんのだが。) さて、このお経は原始仏典(パーリ三蔵長部収録の「マハーパリ…

klesa

労働、労働、労働。無能な俺は土曜も日曜も働く。働かないと仕事が終わらない。労働だけが俺を労働から解放してくれる。私生活は壊滅しているが、まずは労働を片付けないといけない。

中村元訳『ブッダの真理のことば 感興のことば』

ブッダの 真理のことば 感興のことば (岩波文庫) 作者:中村 元 岩波書店 Amazon 忙しく辛い週末だったが、なんとか一冊は読んだ。ただ読んだだけになってしまい、あんまり線をひいたりとかもしていないのだが、とりあえず読んだので、その事実だけでも記録し…

Udanavarga

まだあたたかい秋晴の休日だった。僕の三連休は三日とも労働で終わるだろう。僕の人生はこうして終わるだろう。休日にいくら働いても給料は一銭も出ない。ただ仕事が終わらない。予定はない。恋人はいない。他人のことを気にしている余裕がないんだ。僕の人…

窓の外から

僕の職場の外では、ほとんど毎日いろんな立場の人がデモをしている。僕はたてものの中にいて、あるときは彼らの種々雑多な怒りの対象そのものだったりもする。われらが職場の環境は劣悪なもので、夏を過ぎるとエアコンがつかなくなるんで、秋には窓を全開に…

中村元『慈悲』

お慈悲ぃ・・・ 慈悲 (講談社学術文庫) 作者:中村 元 講談社 Amazon 我々の信じている仏教というのは慈悲の宗教である。観音や阿弥陀は現世で苦しみあえぐ我々を大悲の力で救済してくださる。一方で、色々と見てきたように、部派仏教、伝統的な仏教について…

笈川博一『物語 エルサレムの歴史ー旧約聖書以前からパレスチナ和平まで』③

物語 エルサレムの歴史 旧約聖書以前からパレスチナ和平まで (中公新書) 作者:笈川博一 中央公論新社 Amazon 第一次中東戦争 エジプト、ヨルダンをはじめとするアラブ連合側は、イスラエルに数では大きく優っていたが、各国間の統制が取れておらずイスラエル…

笈川博一『物語 エルサレムの歴史-旧約聖書以前からパレスチナ和平まで』②

物語 エルサレムの歴史―旧約聖書以前からパレスチナ和平まで (中公新書) 作者:笈川 博一 中央公論新社 Amazon 続きイクゾ ローマ、ビザンツ 2世紀の破壊の後にエルサレム市は荒廃したが、転機は4世紀に訪れる。コンスタンティヌス帝がキリスト教を公認した…

笈川博一『物語 エルサレムの歴史ー旧約聖書以前からパレスチナ和平まで』①

物語 エルサレムの歴史―旧約聖書以前からパレスチナ和平まで (中公新書) 作者:笈川 博一 中央公論新社 Amazon 「エルサレムの歴史」と題しているが、エルサレムだけというよりは、エルサレム市を軸にしつつ、パレスチナ/カナン*1全体の古代から現代までの歴…

中村元『原始仏典』

原始仏典 (ちくま学芸文庫) 作者:中村元 筑摩書房 Amazon 労働が忙しくて、なかなか本を読む時間が取れないぞ。とはいっても、無限の時間があったらあったで、その分こういう用でもない*1モノを読んだりするかと言われると怪しいんだよな。ある程度時間が貴…

中村元、三枝充悳 『バウッダ[佛教]』③

バウッダ[佛教] (講談社学術文庫) 作者:中村 元,三枝 充悳 講談社 Amazon 大乗の経典及び教えとして一般的に言われているものをこの本の順番に従って概観していく。もちろん僕は(法華経の一部と般若心経を除いて)読んだことがないので、こんな感じらしい、…

中村元、三枝充悳 『バウッダ[佛教]』②

バウッダ[佛教] (講談社学術文庫) 作者:中村 元,三枝 充悳 講談社 Amazon 労働が忙しくて、読んでからだいぶ日が空いてしまい、記憶からかなり抜けてしまった。悲しいなあ。しかしながら、釈尊の述べるニッバーナ、悟りというのは、そもそも、釈尊自身の言い…

中村元、三枝充悳 『バウッダ[佛教]』①

明らけく のちの仏の 御世までも 光りつたへよ 法(のり)のともしび –伝教大師最澄*1 バウッダ[佛教] (講談社学術文庫) 作者:中村 元,三枝 充悳 講談社 Amazon 釈尊の説いた教えから、はるばる日本やチベットにまで伝わった教えに至るまでの仏教全体の通史…

犀の角

音声に驚かない獅子のように、網にとらえられない風のように、水に汚されない蓮のように、犀の角のようにただ独り歩め。(『ブッダのことば ースッタニパーター』71) 犀の角といったら釈尊、釈尊といったら犀の角。 交わりをしたならば愛情が生ずる。愛情…

あの人をなんと呼ぶべきか問題

この人ね 最近僕はこの人について考えることが多くなったのだが。 ところで、あなたはこの人をなんと呼んでいるだろうか。他の多くの例と同様に、この人の呼び方のうちで人口に膾炙したいくつかのものについては、専門家に言わせると問題があるらしい(専門家…

タイに行ってきた話④

近づく景色はバイデジタル、喧騒には隠れたいにしえの、怒れるマザーの泣き声に、また眠らぬ偽装の都市バンコック 最終日はハイソなバンコクを回っちゃうぞ。 五日目 前日までに書き忘れたこと。 タイの交通事情。マナーは日本よりかなり悪い。あんまり信号…

タイに行ってきた話③

セターさんが総理大臣になって、タイの人みんな、来年のソンクラーン、楽しみにしてます。 ガイドのおっちゃん 4日目 読経 朝6時半頃、ホテルの近くの道を散歩。既に道端の屋台は営業を開始し、もくもくと煙が立ち上る。地元の人が何やら騒がしく買い物を…

タイに行ってきた話②

かたくなに夜は来て、遥か道の上、キミがまた歌う時、胸は急いでゆく Sim City 平沢 進 Amazon 3日目 日中はアユタヤ世界遺産・遺跡巡りの個人ツアー。 ちなみに個人ツアーはここで予約した。別に広告する義理もないのだが、日本人が経営していて中々サービ…

タイに行ってきた話①

「バンコックの正式名称を何というか御存知ですか」 「いや、知りません」 「それはこういうのです。 クルング・テープ・プラ・マハナコーン・アーモン・ラタナコーシン・マヒンタラー・シイアユタヤー・マフマ・ポップ・ノッパラー・ラッチャタニー・プリロ…

性欲とは神が与えし大罪 ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(中)(新潮文庫)

逃れられるカルマ。(アリョーシャ) ああ逃れられない!(ミーチャ) カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫) 作者:ドストエフスキー 新潮社 Amazon 上巻 https://akariakaza.hatenablog.com/entry/2023/07/29/143352 さて中巻だが、まず、ゾシマ長老が亡くなる。…

しっかりとつかめなかった話

毛沢東語録 (平凡社ライブラリー) 作者:毛 沢東 平凡社 Amazon 「しっかりとつかむ」必要がある。つまり、党委員会はおもな工作をかならず「つかむ」必要があるばかりでなく、かならず「しっかりとつかむ」必要がある。なにごとによらず、しっかりとつかんで…

石井米雄『タイ仏教入門』

マイペンライ。 タイ仏教入門 (めこん選書 1) 作者:石井 米雄 めこん Amazon タイシリーズ第2弾。 短くて少し古い本だが、かなり興味深い内容だった。 仏教とは 初期の仏教の概要についてはこっちの本参照(僕の感想は書きかけだが)。 akariakaza.hatenabl…

柿崎一郎『物語 タイの歴史 微笑みの国の真実』

サワッディーカッ。 物語 タイの歴史 微笑みの国の真実 (中公新書) 作者:柿崎一郎 中央公論新社 Amazon 今度旅行でタイに行くので読んでみた。 中公新書のこの各国史シリーズが結構いいんですわ。おそらく内容は、各国の中学校の教科書をさらに簡潔にした程…

あのころのこと

狭くて汚いアパートに引きこもって、誰とも会わずに一日六法をめくって、「nhkにようこそ」のおんなじ場面を何度も何度も繰り返し視聴して、嫌儲で毒を吐いて寝る。たかだか1年くらいだったけど、あの時間に僕の青春が詰まってたんだ。 大学受験の時よりも、…

神なんか必要ねえんだよ ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(上)(新潮文庫)

俺の大事な神が!(アリョーシャ) カラマーゾフの兄弟(上)(新潮文庫) 作者:ドストエフスキー 新潮社 Amazon 僕がこれを読むのは初めてじゃなくて、何年か前、学生の頃に途中まで、確か長老が死んで死体が腐るあたりまでは読んだ(当時読んだのは光文社の…

ソーニャちゃん助けて ドストエフスキー 『罪と罰』(下)(新潮文庫)

こっちのソーニャちゃんは人殺しとかは絶対しない。 罪と罰(下)(新潮文庫) 作者:ドストエフスキー 新潮社 Amazon 「俺は『罪と罰』を読んだことがあるんだぞ。」 この一言が言いたいがためだけに、僕は5年くらい前に買ったのだ。というより、どちらかと…

ドストエフスキー 『罪と罰』(上)(新潮文庫)

の話は…しません(タイトル詐欺) 罪と罰(上)(新潮文庫) 作者:ドストエフスキー 新潮社 Amazon 感想は下巻まで読んだら書くことにして、今日は全然違う話をメモしておく。 僕は本というのは、本屋で買うのがいいと思う。積ん読でも買うのはよい。電子書籍…

高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』

少し前に読んだ本。 さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫) 作者:高橋源一郎 講談社 Amazon この本の巻末には、「身体・職業等に関する表現で不適切と思われる箇所がある」との断り書きがある。この作品のある部分は、「不適切な表現」で構成されている…

びっくりするほどユートピア E.H.カー『危機の二十年−理想と現実』

まず全裸になり、 …ではなく。 危機の二十年-理想と現実 (岩波文庫) 作者:E.H.カー,原 彬久 岩波書店 Amazon 学生の頃、世間的にもほんの少しだけ名の知れた学者の先生の国際政治の授業を受けていたことがある*1。その教授は授業でいろんな本の話をしてい…