あかりの日記

おっ あっ 生きてえなあ

タイに行ってきた話②

 

かたくなに夜は来て、遥か道の上、キミがまた歌う時、胸は急いでゆく

 

Sim City

Sim City

  • 平沢 進
Amazon

 

3日目

日中はアユタヤ世界遺産・遺跡巡りの個人ツアー。

ちなみに個人ツアーはここで予約した。別に広告する義理もないのだが、日本人が経営していて中々サービスが良く、担当者とのやり取りも日本語でスムーズにできて非常に良かった。この日記を読んだ人間はぜひ使いなさい*1

tripull.asia

ガイドのおっちゃんは日本語が上手なタイ人。このおっちゃんと移動中に色々話した。そのことを書き留めようと思って、この日記を書いているところがあるので、おっちゃんから聞いた内容も適宜挟んでいく。

 

まず向かったのはワット・ヤイ・チャイモンコン。

 

黒く煤けた寺院

 

16世紀末にナレースワン大王*2がタウングー朝ビルマ軍を撃退した際、戦勝を記念して建てられた塔だ。塔には大王の遺骨が納められていた。

これもそうだが、アユタヤの建物は皆黒い。かつてはタイでは金が採れたため、アユタヤの寺院は悉く純金で塗られていた。18世紀にコンバウン朝ビルマ軍がアユタヤを破壊した際、金を溶かして持ち帰るために寺院に火をつけたため、建物が黒くなっているそうだ。なお、現在のタイの寺院(例えばワットプラケオ、ワットポーなど)が金色に装飾されているのは、全て金メッキだそうだ。

 

次はワット・マハータート。

 

周辺には、仏像に自分の顔を置いて撮影してはダメ、という張り紙が

この生首が「映える」のか、ここにだけ観光客が密集していた

 

アユタヤ朝の時代には仏舎利を納めた塔があったが、ビルマ軍により破壊され、その後も仏舎利は発見されなかった。

ここも含め、アユタヤの仏像はビルマ軍によって首を切り落とされている(上記のワット・ヤイ・チャイモンコンの仏像は、のちにセメントで再建されたもの。)。ビルマだって仏教国だったはずだが、正しい仏教の国は自分の方だ、と示すために破壊したんかね。この寺では、木の根の中に埋もれる仏像の顔がとても特徴的である。これは、切り落とされた仏像の首が落ちた(あるいは誰かが置いた)ところに木が生えてしまってこうなったようで、これはこれでありがたいということでそのままにしてあるそうだ。

 

最後にワット・ローカヤスッター。

 

何百年も野晒しにされては、仏様も涙する

これもまた、金で装飾されていたが焼いて剥がされたものだ。タイの激しい雨を受けブッダの目には涙が。周囲にはもともとお堂があったが、現在では壁の一部しか残っていない。仕方ないことだが、アユタヤの寺は「ワット(寺)」という名前の割には悉く屋外にあり、廻るのが相当に暑いぜ。

 

前々日に買ったタイパンツが履き始めて2時間くらいで破れたので(笑)、アユタヤ水上マーケットで買い足し。ここは「水上マーケット」というが、比較的新しい観光客向けの商業施設のようだ。

次いでエレファント・キャンプで象乗り。意外と安定感があり怖くない。タイでは至る所で象に乗れる。観光客向けと思っていたが、乗ると縁起がいいので現地人もたまに乗るらしい。チップを渡すと、象さんが鼻で受け取ってくれる。

象の上から。道には象のうんちが沢山落ちているが、臭くない。

その後、飯を食って解散。この時期は午後はスコールが降るからか、サクサク観光で午後早くには解散だった。

 

ちょっとお高いエビ

 

帰還後は、タイの夜の観光施設、アジアティーク・ザ・リバーフロントへ。

ここではお土産や服飾品の巨大なマーケットがあったり、屋台やレストランがずらっと並んでいたりするが。何よりも、有名なニューハーフショーを行っているカリプソがあるのだ。

カリプソのショーは、19時30分からと21時15分から。チケットは、我々は例のガイドのおっちゃんに少し安く取ってもらったが、行く時間が決まっているなら日本の旅行会社や上記のtripullを通しても、同じように安く取れるぞ。

フラッシュをたかなければ撮影OK

演目はイギリス、アメリカ、スペイン、韓国などいろんな国の歌謡曲に合わせて踊るものであり、美空ひばりもやってたぜ*3。女性ダンサーは時にはかなりきわどい衣装で踊るが、代わりに男性ダンサーもビキニを着たりしている。こういう「お外向け」の施設だから当たり前っちゃ当たり前かもしれないが、ジェンダーに関してかなりの配慮を感じられた。ニューハーフは、見せ物としてではなく、自己実現の形として踊るのだ。その姿は、小馬鹿にされたオネエタレントのようなものではなく、かつて平沢進の語った「SP2」そのものだ。

 

 

*1:こういう広告的な話をするのはニガ手だなあ。どうせ誰も読んでないから気にする必要もないが。

*2:タイの歴史は

柿崎一郎『物語 タイの歴史 微笑みの国の真実』 - あかりの日記

ここでまとめたので参照のこと

*3:全体的に、タイ人の思い描いている「日本」は少し古くて、2〜30年くらい前のもののような気がする。その辺の世代が主として旅行で来るからか、はたまた、そこから先の日本文化にはもはや影響力がないということか