ダラム大聖堂
ダラム大聖堂はイングランド北東部の代表的なカテドラル。英国序列第4位の寺院にして、世界遺産。
略史
もともとこの地域にはアングロサクソン時代からの宗教共同体があったようだ。聖堂自体は11世紀、ノルマン朝時代の創建。聖カスバートという聖人を祀っている。
ダラム大司教は有力な領主でもあり、近代まで聖俗両面で力をもったようだ。
16世紀には、ヘンリ8世の宗教改革により聖カスバートの立派な礼拝堂が破壊され、教会財産が没収された。
イギリス、Norman Conquest以降侵略を受けてないから、11世紀以降でみれば古い建物がまあまあ残ってるけど、ヘンリ8世のdissolution of monasteriesはかなり広範な爪痕を残しているな。
1650年、クロムウェルは、チャールズ2世率いるスコットランド兵に大勝。3000の捕虜をダラム大聖堂に収容し、その大半は死亡したとされている。
ここら辺よくわかんないんだよな。ステュアート朝ってスコットランド出身なのに、ピューリタン革命ではスコットランドは議会派についたよね。でも、その後はまた国王側についている。まあ議会もスコットランドも一枚岩ではないのか。
その後も現在まで国教会の重要拠点として続いている。
建築

11世紀創建のダラム大聖堂はロマネスク建築である。イギリスにおけるロマネスクはノルマン様式といわれるらしい。こないだ行ったゴシック建築のカンタベリーとは打って変わって、お城のような武骨な外観だ。
11、12世紀頃がロマネスク、13、14世紀頃がゴシック。(そのあと、15世紀初頭のフィレンツェのブルネルレスキという人が、建築分野のルネサンスを創始したとされている。)
ロマネスク建築の特徴は、一般に、分厚い壁や太い柱、比較的小さい窓、半円形のアーチ、などといわれる。



もともと、聖堂内に広い空間を作るために、室内空間の明るさを犠牲にして、武骨な壁で支えていた。しかし、だんだん建築技法が進化したことで、塔を高くして、窓枠の穴を大きくしても大丈夫になった。…ロマネスクからゴシックへの進化は、ざっくりこんな感じで捉えるとよいだろう。
とはいえ、この建物は、天井に交差ヴォールトがみられるし、アーチがところどころとがっている。どうやらこの建物はロマネスクからゴシックへの過渡期の様式のものらしい。


西端のガリラヤ・チャペルは12世紀頃の様式をそのまま残している。壁にも12世紀の壁画が残っている。ヘンリ8世の改革で堂内の壁画は消された例が多いらしく、この壁は貴重なようだ。


ここには聖カスバートと並ぶ聖人、Venerable Bede*1が埋葬されている。
聖カスバートの祭壇。ヘンリ8世の改革後も聖カスバートの遺体はここに残ったようだ。

多くの教会の東端はアプスApseという半円形の祭壇になっているように思われるが、ダラム聖堂の東端は方形である。9人の聖人の祭壇になっているようだ。

回廊Cloister。ハリーポッターの中庭シーンの撮影でよく使われたようだ。おれはニワカだが、確かによくここを見た気がする。
たくさんのアジア人が自撮りをしていた。


イギリスにも御朱印帳があるっぽいので集めてみよう。お土産売り場の人に声をかけたら、快く押してくれた。
日本の御朱印ってちょっと仰々しいし金もかかるけど、このちっちゃいスタンプくらいなら気軽に集められるよね。


ニューカッスル・アポン・タイン
ニューカッスル大聖堂
こちらは14世紀、垂直ゴシック期の建築らしい。ただ天井に木が張ってある。



おばちゃんが無料でケーキとお茶を振舞っていて、おれも1つ貰ってしまった。Mothers Union(?なんだかよく分からん)150周年祭り、みたいなのをやってると言ってた。
タッパーを持ってきてがっついているおじさんもいる。欧米欧米してるねえ

ケーキもらっちゃった手前、少し寄付しておいた。日本の寺もQRコード置けばいいのにな。
Laing美術館

Laingという実業家が始めたらしい。
1階は地元ニューカッスルの画家たち。おれが知っている人はいねえなあ。ラファエル前派pre-raphaeliteなどに有名な画家を出したようだ。

ラルフヘドリー。庶民の生活をよく描いた。写実主義realismに括られるらしい。クールベとかミレーとかね。

チャールズヘミー。ラファエル前派の画家らしい。

地元のランドマーク・タイン橋建設中。イギリス人ってこういう「産業」の絵も好きだよね。ターナーの汽車とか。
2階には割と有名どころ。


ゲインズバラ、レノルズ。この辺の、アカデミー立ち上げメンバーは、イギリス絵画史では最重要人物の扱いなのだろう。フランスでいうプッサンみたいな。
そもそも、アカデミズムの本流がちゃんとあるから、それへの対抗馬として変わり種が出てくる余地が生まれる、というのはあるよな。まさにフランスがそうだったように。

フランスの変わり種代表、ゴーギャン。



日本代表、広重、北斎。欧米にある浮世絵は状態が良いですねえ。

エドワード・バーン・ジョーンズ。知らん画家だが、めっちゃラファエル前派感があったので。

アーツ・アンド・クラフツとして作られたステンドグラス。
ニューカッスルカッスル
外観だけ。ヘンリ3世のときに造られた。
もっとも、その時代のここの領主ヘロンは、ヘロンピット(穴)という監獄に囚人を閉じ込めていじめるなど、好き放題やっていたらしい。
ヘンリ3世。既にマグナカルタがあり、シモンドモンフォールの反乱もあった。この頃のイングランド王は、諸侯をうまいことなだめるので精一杯であり、田舎の領主の統治に気を配っている余裕など到底なかったのだろう。

町のシンボルのタイン橋。改修中だった。

世界遺産もいいけど、そこらへんの町をちょろちょろ歩き回るのもまたをかし。教会と美術館なら金もかからない。
*1:Venerableは「尊者」的な意味らしい。ほなら阿難尊者はVenerable Anandaか。





































































