あかりの日記

おっ あっ 生きてえなあ

高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』

少し前に読んだ本。

 

 

この本の巻末には、「身体・職業等に関する表現で不適切と思われる箇所がある」との断り書きがある。この作品のある部分は、「不適切な表現」で構成されているらしい。どこだろう。

 

ある人が、この作品を世界一優れた小説だと言っていたが、たしかにベリ・ナイスな作品だった。

 

生まれてこのかた、詩なんて詠んだことがない。おそらく一度たりともない。ことばに対する感度の低い人生を送ってきた。

いまここで詩を詠んでくれと言われたら、僕のあたまは真っ白になり、心は言葉に変換されることを頑なに拒絶し、ひたすらに涙目で狼狽するだろう。

 

そういうことを痛烈に反省した。

何かを一朝一夕に改められるものではない。だけど、例えば何かの間違いで僕に恋人なんかができたときは、ほんとうにしっくりくる名前で呼ぼうと思うんだが。「アガートは大好きさ、フレガートが」は流石にイタすぎて却下だが、そういうのっぴきならない事態が発生したときに、しっくりくる自分のことばを見つけられるように、ならなきゃいけないのだぜ。それが、社会的にみて「不適切な表現」だったとしても。