あかりの日記

おっ あっ 生きてえなあ

窓の外から

 

僕の職場の外では、ほとんど毎日いろんな立場の人がデモをしている。僕はたてものの中にいて、あるときは彼らの種々雑多な怒りの対象そのものだったりもする。われらが職場の環境は劣悪なもので、夏を過ぎるとエアコンがつかなくなるんで、秋には窓を全開にしているのだが、そうすると結構聞こえてくるのだ。シュプレヒコールがね。時には気が散って労働に集中できないなあと思うこともあるわけだ。だけどそれは別によいのだ。まさにそのためにデモやってんだからな。

それどころか、ある種のものについては、僕はたてものの中からひそかに共感していたりもするわけだ。自分で言うのもナンだが、僕は結構偏った思想の持ち主だと思う。

 

間に受ける人がいるかもしれないから一応断っておくけど、この人みたいな極端な人のことをまったく全て鵜呑みにしてるわけじゃないからな。ただ、常に独りで闘い続けて、孤独な、言葉を選ばず言えば不幸なおじいちゃんだとは思うんだ。

 

…話を戻すと、僕が少し寂しいと思うのは、集まってんのがとにかくお年寄りばっかりということだ。比率が多いとかいうレベルではなくて、若い人は基本的には存在しないのだ。

平日の昼間だからそりゃそうだろって?だけど大学生は暇やろ。あと(あんまり褒められたことではないが)僕は仕事が遅いので結構休日出勤もするんだが、休日にやってるデモだって人口構成は変わらんぞ。

 

まあ僕自身も全く政治的な学生ではなかったので、えらそうに人に何か言える立場では全くないんだが。バセドウ病永田洋子、ソバカスのグレタさん。ゲバボ、雨傘、レインボーマーク。

 

多くの大人は、今の学生は社会のことに関心がないというけれど、いちおうまだ若者に属する立場としては個人的には、そこはそうでもないんじゃないかと思う。ある程度情報を摂取して自分の考えをもっている人自体はそれなりにはいるんじゃないかな。ただ、表に出て声を上げる文化は、これはないと断言できる。半世紀前にはあったのに、いつしか滅んでしまった。なんでやろなあ。

戦争でも税金でもトイレでも環境問題でも、賛成でも反対でもなんでもいいんだが(ただやっぱちょっとヘイト系は勘弁してほしいけど)、窓の外から、インターナショナルとか軍歌とかじゃなくてだな(まあそういうのでも歌えるんならいいんだけどさ)、たとえばアドとかヨルなんちゃらとかそういう、最近の流行りの歌に乗せて、若々しい声(これは聞いている方はすぐに分かるんだ)のシュプレヒコールが聞こえてきたら。まあそんなことは天地がひっくり返っても起きないだろうが、もしあったら、僕は最大限の共感を覚えるだろう。恥ずかしいとか迷惑だとか、けっして1ミリも思わないのだぜ?

とはいえ、心の中でだけ。僕は諸々の事情によりそっちにはいけないんで。僕も他人任せのつめたい人間だ。参った参った。