空海の大好きなホトケ、虚空蔵菩薩。虚空蔵菩薩の真言というと、よく知られたものが二つある。
①おん、ばざら、あらたんのう、おん、たらく、そわか。
②のうぼう、あきゃしゃきゃらばや、おん、あり、きゃまり、ぼり、そわか。
②は虚空蔵求聞持法という密教の修行などで唱えるものだ。オヘンロを歩いた際に利用した仏前勤行次第には、こちらが書いてあった。
僕は四国を歩いていたとき、空海の真似をして(?)100万回唱えようとした(その1%も唱えられなかったが)のだが、そのことを後で立ち寄った高野山のお坊さんに伝えたら、「ちゃんとした行法を守って行わないと本当に危険だから、やめなさい」と厳しいお叱りを受けた。
「ノウボウ」は「南無」と同じ、「アキャシャキャラバヤ」というのは「アーカーシャガルバ」すなわち虚空蔵菩薩のこと。「虚空蔵菩薩に帰依します」というくらいの意味。その後の部分は、特に意味はなく、なんか行者が修行するときにひとりでに発する音から発展したとおぼしきものらしい(ホントか?w)。
①が一般的に唱えられる真言らしい。「たらく」とは虚空蔵菩薩の種字である「タラーク」のことだ。
ところで、少し前にやっていた「鎌倉殿の13人」というドラマで、頼朝の娘の大姫が①を唱えていたな。おんたらくーそわかー。あのドラマは他にもいくつかマントラが出てきたことを覚えている(全成という坊さんがいろいろ唱えていたな)。やはり平安末期くらいのブルジョワ階級にとって仏教といえば密教なのだ。時代考証がしっかりしていた。僕はあまり大河を見ないが、鎌倉殿は大好きだった。暇に任せて50余話をnhkオンデマンドで2、3周したな(笑)。あんなに暇な日々はもう2度と戻ってこないだろう。参った参った。