あかりの日記

おっ あっ 生きてえなあ

【民訴メモ】訴え取下げと手数料還付

例えば、あなたが、誰かに対して、5億5000万円の支払を求める訴訟を起こしたとしよう。

このとき、申立ての手数料は、167万円である。以下のサイトで計算してくれたまえ。

https://www5d.biglobe.ne.jp/Jusl/MinjiJiken/tesuuryo2.html

167万円。100万円を超えているので、現金納付ができる。庶民にとっては、小さい額ではない。

 

さて、その後、訴えを取り下げることになったとする。(別にそれ自体はままあることだろう。)

このとき、納めた手数料は返ってくるだろうか?

 

原則として、提訴手数料は、あとから取り下げたからといって、返ってこない。

しかし、もし取下げが第1回弁論より前であれば、納めた額の半分は、還付を受けられる(民事訴訟費用等に関する法律9条3項1号)。その趣旨は、第1回前の段階では、まだ実質的な審理をしていないから、ということではないかと思われる。

 

ところで、最近は民事訴訟においてウェブ会議による争点整理が普通になり、初回からウェブで進め、終結のタイミングで初めて弁論を開く、という事例も多くなった。このような場合に、ウェブ会議でかなり終盤まで争点整理をして、その結果として取下げになったとしても、手数料の半分は還付を受けられるのだろうか?

少なくとも、形式的には、還付の要件は満たしている。上記趣旨に照らして、それでいいのか、という素朴な疑問はあるが、立法論の話だし、別に誰も困っていないので、この先議論が起こることもないだろう。

 

この話、突き詰めると、提訴手数料とはいったい何のために納めるものなのか、という哲学的な話にもなってくる気がするが、とりあえず、もう掘り下げない。以上。

 

◯ 民事訴訟費用等に関する法律

(過納手数料の還付等)
第9条

3 次の各号に掲げる申立てについてそれぞれ当該各号に定める事由が生じた場合においては、裁判所は、申立てにより、決定で、納められた手数料の額(第5条の規定により納めたものとみなされた額を除く。)から納めるべき手数料の額(同条の規定により納めたものとみなされた額を除くものとし、民事訴訟法第9条第1項に規定する合算が行われた場合における数個の請求の1に係る手数料にあつては、各請求の価額に応じて案分して得た額)の2分の1の額(その額が4000円に満たないときは、4000円)を控除した金額の金銭を還付しなければならない。
一 訴え若しくは控訴の提起又は民事訴訟法第47条第1項若しくは第52条第1項の規定若しくはこれらの規定の例による参加の申出

口頭弁論を経ない却下の裁判の確定又は最初にすべき口頭弁論の期日の終了前における取下げ